雨があがってふと近所を散歩してみた。
目に見える物が優しく見える陽の優しい一日だった。
家の近くはお寺もあって緑も多く、ちょっと散歩するのにこんなにいい感じなんだと再認識。
桜が散った後を「俺らの番だ!」と言わんばかりの鮮やかな新緑の葉が覆い尽くす。
風が吹くと微笑んだり高笑いしたり、幼い葉っぱ達の穏やかな声が聞こえてくるよう。
頭上まで垂れ下がっている葉が目に止まり、ふと手を伸ばす。
あと1ミリで届くタイミングで風が吹き、手の届かないほどの高さに。
下がってきたところを狙ってまた手を伸ばすとまたもやきまぐれな風につれさられてしまう。
そんな事を何度か繰り返すウチにダンダン微笑ましい気持ちから本気の意地モードに確変突入。
「くぉら!人間様で遊んでんじゃねえぞ自然!!」
また下がってきたタイミングでマジジャンプ。
いやホントにマジジャンプ。
これ計3回。
しかし俺の本気も風と葉っぱにもてあそばれ、遙か頭上に舞い上がる枝葉にかすりもせず。
あれ?こいつ本気で俺を嫌がってんじゃね!?
横では小さい子供を後ろに乗せたチャリンコママが俺をガン見で通り過ぎる。
ふと目をやると遠くなるママの後ろに乗った小さい女の子も俺から目を離さない。
・・・・・ですよね。
春にたまに見かけるちょっぴり変なオジサンですよね。
なんだかちっちゃい時に俺の足元にまとわりついていた子が小学校一年になって久しぶりに階段を降りる時に手を繋ごうとした時に、
「なんで?なんでつなぐの?」
と言われたショックをガン見している女の子と葉っぱと色々オーバーラップして見えた気がした。
俺は辺り一帯の自然に対してこうつぶやいた。
「だっふんだ!」
目に見える物が優しく見える陽の優しい一日だった。
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